美髪のシンデレラ~眼鏡王子は狙った獲物は逃がさない~
その後、二人が向かったのはこのエリアで最大のショッピングモールのサウスエリア一階。

穂積ソワンデジュヴ株式会社の販売店゛穂積堂゛。

今回のヘアケア教室参加者は15名。

付き添いの母には、講義の間は別の所でショッピングをしてもらうことになった。

受付を済ませ、用意された椅子に腰かけた瑠花は、興奮でクラクラしそうになった。

ブラウンのカラコンをつけた瑠花は、ここではただのヘアケアコスメマニアだ。

瑠花の秘密を知るものはなく、誰の注目を浴びることもない。

警戒をすっかり解いた瑠花は、店内に所狭しと並べられたヘアケア商品を見渡しながら、興奮を隠しきれそうもなかった。

そうして始まったヘアケア教室。

綺麗なお姉さんとイケメンお兄さんが教えてくれるヘアケアの知識は目から鱗の新発見ばかりであった。

基礎知識の座学だけでなく、実際の洗髪の実演を見ることでイメージがつきやすかった。

高校生の参加は瑠花だけで、後は大学生や社会人、主婦が多かった。

若い男性も一人参加していたが、端の方に座っていて始終つまらなさそうにしていたので、それ以上、瑠花が彼のことを気にとめることはなかった。
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