美髪のシンデレラ～眼鏡王子は狙った獲物は逃がさない～

そのあとの幹部会で、直也は主に゛セクハラ゛の責任をとって副社長を辞任させられることになった。

ラッキーアイテムの効果が消え失せた狭間部長に興味を失った但馬は、これまでの狭間の所業と、狭間に命令されて行ってきた自らの悪行を暴露し、退職金なしの自主退職という形で社を去ることになった。

副社長夫人の立場を失った浅子と目論見が外れた狭間は最後まで認めようとしなかったが、結果的に社を去ることが決まり、朔也は安堵した。

゛これでもう邪魔者はいない゛

朔也は、但馬の爬虫類顔に負けず劣らずの腹黒い顔をして、パンパンと両手を払いながら呟いた。

「さあ、愛しの姫を迎えにいくか」

腹黒御曹司にロックオンされた瑠花の運命は、果たして吉と出るのか、凶と出るのか・・・。

ラッキーアイテム瑠花ちゃんは、マイ研究室でやりかけの片付けに取り組みながら、言い知れぬ寒気に身震いしていた。