美髪のシンデレラ~眼鏡王子は狙った獲物は逃がさない~
「そ、それでは業務に戻らせていただきます」
「ああ、また後程」
研究職ではない朔也は、基本的にこの部屋には用はないはずだ。
研究開発課のデスクは別にある。
瑠花のデスクも商品開発部内にあるが、研究者は基本、そこには貴重品を入れて鍵をしておくらいで常駐はしない。
しかも、研究バカの瑠花は、ほぼ終業まで研究室から出ることはない。
゛そうそう顔を合わすこともないだろう゛
と考えた瑠花は朔也にお辞儀をして、更に奥にあるプライベート研究室に入っていた。
「お前、初っぱなから怖がらせてどうすんだよ」
「怖がる要素なんて一つもないだろう」
「お前のその目に見つめられたら誰だって怯むんだよ」
呆れた様子の雅樹を朔也は気にもとめない様子で、瑠花だけを目で追っていた。
背中まで伸びるダークブラウンのサラサラの髪を無造作にゴムで束ねながら、颯爽と歩く瑠花。
二重瞼の大きな瞳と、インドア職員にありがちな真っ白な肌にピンクの頬。
入社以来5年間もこんなところに引きこもり、仕事に明け暮れていたからか、瑠花には浮いた話もないらしい。
「やっと見つけたんだ。逃しはしない」
「こえーな・・・」
雅樹は獲物を捉えた猛禽類のような鋭い朔也の瞳を見て肩をすくめた。
「ああ、また後程」
研究職ではない朔也は、基本的にこの部屋には用はないはずだ。
研究開発課のデスクは別にある。
瑠花のデスクも商品開発部内にあるが、研究者は基本、そこには貴重品を入れて鍵をしておくらいで常駐はしない。
しかも、研究バカの瑠花は、ほぼ終業まで研究室から出ることはない。
゛そうそう顔を合わすこともないだろう゛
と考えた瑠花は朔也にお辞儀をして、更に奥にあるプライベート研究室に入っていた。
「お前、初っぱなから怖がらせてどうすんだよ」
「怖がる要素なんて一つもないだろう」
「お前のその目に見つめられたら誰だって怯むんだよ」
呆れた様子の雅樹を朔也は気にもとめない様子で、瑠花だけを目で追っていた。
背中まで伸びるダークブラウンのサラサラの髪を無造作にゴムで束ねながら、颯爽と歩く瑠花。
二重瞼の大きな瞳と、インドア職員にありがちな真っ白な肌にピンクの頬。
入社以来5年間もこんなところに引きこもり、仕事に明け暮れていたからか、瑠花には浮いた話もないらしい。
「やっと見つけたんだ。逃しはしない」
「こえーな・・・」
雅樹は獲物を捉えた猛禽類のような鋭い朔也の瞳を見て肩をすくめた。