美髪のシンデレラ~眼鏡王子は狙った獲物は逃がさない~
穂積堂の王子様
「いらっしゃいま・・・って、朔也くん。久しぶりじゃない!」
朔也に手を引かれるままに訪れた穂積堂で待っていたのは、12年前も店長として瑠花をもてなしてくれたあの女性の大声だった。
当時30代と思われたその女性は、おそらく今は40代から50代前半だろう。
しかし、若々しさと髪の艶やかさは健在で穏やかな微笑みは少しも変わっておらず、瑠花はすぐに彼女があのときの店長だとわかった。
「ご無沙汰しています。湯川店長」
「今日はデート?ずいぶん綺麗な彼女を連れているのね?」
瑠花と違って、湯川と呼ばれた店長は瑠花のことを覚えてはいないようだ。
忘れられていることは仕方のないことだが、今は仕事で来ているのに朔也の彼女と勘違いされるのは不味い。
穂積堂の関係者に勘違いされてしまっては、いずれ心晴や狭間部長の耳に入って厄介なことになりかねないからだ。
瑠花は慌てて否定しようとしたが
「それにしても、あなた、ずいぶん綺麗な髪ねえ・・・。うちの宣伝モデルに使いたいくらい・・・あれ?あなたどこかで・・・」
湯川店長は、瑠花のことを思い出そうとしてくれているようだが、思い出せないのは無理もない。
12年前にここを訪れた瑠花は、オッドアイを受け入れきれずにブラウンのカラコンを着けて゛普通゛を装っていた。
あのときと違って、今の瑠花の姿は、生まれたままのヘーゼルと青みがかった灰色のオッドアイ。
一度見たら忘れられないはずの強烈な特徴を持つ瑠花を思い出せないことに、湯川が戸惑うのは無理もないのことであった。
朔也に手を引かれるままに訪れた穂積堂で待っていたのは、12年前も店長として瑠花をもてなしてくれたあの女性の大声だった。
当時30代と思われたその女性は、おそらく今は40代から50代前半だろう。
しかし、若々しさと髪の艶やかさは健在で穏やかな微笑みは少しも変わっておらず、瑠花はすぐに彼女があのときの店長だとわかった。
「ご無沙汰しています。湯川店長」
「今日はデート?ずいぶん綺麗な彼女を連れているのね?」
瑠花と違って、湯川と呼ばれた店長は瑠花のことを覚えてはいないようだ。
忘れられていることは仕方のないことだが、今は仕事で来ているのに朔也の彼女と勘違いされるのは不味い。
穂積堂の関係者に勘違いされてしまっては、いずれ心晴や狭間部長の耳に入って厄介なことになりかねないからだ。
瑠花は慌てて否定しようとしたが
「それにしても、あなた、ずいぶん綺麗な髪ねえ・・・。うちの宣伝モデルに使いたいくらい・・・あれ?あなたどこかで・・・」
湯川店長は、瑠花のことを思い出そうとしてくれているようだが、思い出せないのは無理もない。
12年前にここを訪れた瑠花は、オッドアイを受け入れきれずにブラウンのカラコンを着けて゛普通゛を装っていた。
あのときと違って、今の瑠花の姿は、生まれたままのヘーゼルと青みがかった灰色のオッドアイ。
一度見たら忘れられないはずの強烈な特徴を持つ瑠花を思い出せないことに、湯川が戸惑うのは無理もないのことであった。