美髪のシンデレラ~眼鏡王子は狙った獲物は逃がさない~
「学校はどうだった?」
「うん、いろんな人がいた」
期待を胸に娘の帰りを待っていた母、マリアはたった一言発しただけで部屋に籠ろうとする娘を見て悲しそうな顔をした。
「そうね、まだ初日だもんね」
明らかに無難な言葉を投げ掛ける母に、瑠花は苦笑した。
「でも・・・髪の毛を誉められたよ」
「えっ?そ、そうよ、瑠花の髪は本当に綺麗だもの」
「日本人独特のストレートでサラサラな髪だねって・・・」
目ではなく、初見で髪に注目されたのは瑠花にとっては初めての事だった。
通っていた中学校では、瑠花のようにサラサラの日本髪を持つ生徒は珍しくなかった。
だが、アメリカンスクールにはあらゆる人種がおり、髪型も髪質も多種多様だ。
だからこそ、瑠花の日本髪が目立ったのだろうが、日本人らしくないと自分を卑下していた瑠花には何よりもうれしい誉め言葉だった。
「・・・じゃあ、後で学校からもらった文書を渡すね。明日は土曜日だし、月曜まで時間あるから」
そう言って、照れた表情を隠しながら、瑠花は部屋に戻っていった。
「うん、いろんな人がいた」
期待を胸に娘の帰りを待っていた母、マリアはたった一言発しただけで部屋に籠ろうとする娘を見て悲しそうな顔をした。
「そうね、まだ初日だもんね」
明らかに無難な言葉を投げ掛ける母に、瑠花は苦笑した。
「でも・・・髪の毛を誉められたよ」
「えっ?そ、そうよ、瑠花の髪は本当に綺麗だもの」
「日本人独特のストレートでサラサラな髪だねって・・・」
目ではなく、初見で髪に注目されたのは瑠花にとっては初めての事だった。
通っていた中学校では、瑠花のようにサラサラの日本髪を持つ生徒は珍しくなかった。
だが、アメリカンスクールにはあらゆる人種がおり、髪型も髪質も多種多様だ。
だからこそ、瑠花の日本髪が目立ったのだろうが、日本人らしくないと自分を卑下していた瑠花には何よりもうれしい誉め言葉だった。
「・・・じゃあ、後で学校からもらった文書を渡すね。明日は土曜日だし、月曜まで時間あるから」
そう言って、照れた表情を隠しながら、瑠花は部屋に戻っていった。