永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜
プロローグ
朝の通学電車でいつも会う、かっこいいオトナの人。
スーツ姿の彼と隣同士で座った時は、少しドキドキしたのを覚えている。
そんなある日。
雨が本降りになってきた帰り道で。
「……えっ」
駅近くの公園でうなだれている彼の姿を見つけた。
思わず立ち止まらずにはいられなかった。
傘もささず、公園のベンチに座っている彼。
眠っているのか、起きているのか。
少し離れたところからではわからなかったけれど。
「何、あの人…」
「怖いから早く行こう」
彼を見た人は気味悪そうにその場を去る中で、どうして私は公園に足を踏み入れたのだろう。
彼は私のことを知らないかもしれないのに。
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