永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜
そうすれば私はここの家を追い出されてしまうのだろう。
というより出ていくのが当たり前である。
「バイト、始めようかなぁ…」
「突然だな。何か欲しいものでもあんのか?
言ってくれたら買ってくるぞ」
「だって家にいても暇だし」
「……なんだ、寂しいのか?」
「…っ、ち、違うから…!」
簡単に言い当ててしまう紘毅くんなんて嫌いだ。
平日はいつも帰ってくるのが遅いし、残業や飲み会の日なんて日を跨ぐこともある。
「バイトじゃなしに勉強しろ勉強」
「大学決まったもん、勉強する必要ない」
「バカか、決まったからこそやるんだろ?
専門の科目」
まだ高校3年生のこの時期、本来ならば受験シーズン真っ只中だ。
けれど私は推薦で大学が決まったため、あとは卒業するだけである。