永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜



「バイトも反対だったもんなぁ…」

紘毅くんは過保護な人だ。
けれど子供扱いは嫌だ。



「あー、ダメだダメ」


考えれば考えるほど悪い方に偏ってしまう。
ここは一度息抜きをしようとご飯を作って食べることにした。

けれど───


『そこで俺が言ったんですよ』
『おおっ、何て言ったんですか?』

テレビから流れるのは漫才の番組。
その音声だけが部屋に響き、それ以外は静かで冷たい。


ひとりで食べるご飯というものはやっぱり美味しくない、寂しい。

バイト帰りには必ず紘毅くんがいるし、何なら作ってくれている。

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