永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜



「ひとりだって言ったじゃないですか」
『相手は残業か何かなの?』

「……飲み会らしいです」
『そんな寂しそうな声して。ひとりは嫌なんだ?』


慣れないひとりは本当に嫌だ。
寂しさしか残らない。


『じゃあちょうど良かったな』
「……私に用があったんですか」

『ううん、用はないよ。ただ誰かと話したくなって。与倉さんなら素直に受け取ってくれそうだと思ったんだよ』

「話し相手ってことですか」
『その通り。お互いにひとりならちょうどいいね』


ちょうどいいという表現には少し引っかかるものがあるけれど…私も寂しかったのだ、その気持ちを紛らわせることができるかもしれない。

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