永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜
「じゃあ坂野先輩に質問していいですか?」
『いきなりだね。何?』
「坂野先輩って今は一人暮らしですか?」
『うん、そうだよ。大学からは家を出て一人暮らし』
その答えに対してちょうどいいと思った私も私だろうか。
「実は私も大学生になったら、一人暮らしをしようと思ってるんです」
『えっ、どうして?そこまでして“ヒロキくん”のことを忘れたいの?』
それもないわけではないけれど。
本当の理由は別にある。
「これ以上紘毅くんに迷惑かけられないんで…」
『そっか。じゃあ物件探し、手伝おうか?
俺も一人で今の家探したし』
「えっ…ご両親は?」
『あー…まぁ、基本放置だから。自由にやらせてくれるんだよ、学歴さえちゃんとしてたら』
少し、素っ気ない言い方。
冷たい声に聞こえなくもない。