永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜



「詩織ちゃん、俺のことは無視?」
「…へ」


スマホを取られ電話を切ったのか、紘毅くんはそれをテーブルの上に置く。

けれど私からは離れないままで。


「面倒くさい飲み会に行って上司の相手してきたんだからな、俺」


そう言って、今度はぎゅーっと抱きしめてくる。
これは…酔っている。

絶対に酔っている。
こんな甘えたがりな紘毅くんを私は知らない。


飲み過ぎたのだろうか。
今までの飲み会の後でもこんな風に酔ったことはない。


「明日も仕事でしょ?
早くお風呂入って」


唇にはまだ感触が残っている。
間違いない、私───

紘毅くんにキス、されたのだ。
どうして?どうして紘毅くんはキスなんか…?


酔っているから?
酔っているからって、そんな軽率にキスするような人?

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