永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜
「もう一回入るか?」
「ばっ…かじゃないの!?」
ニヤリと笑う紘毅くんの本心が読めない。
「酔ってないで早く入って!」
「……詩織ちゃんが冷たい」
「詩織ちゃんって呼ぶな気持ち悪い!」
酔っている証拠である。
普段の紘毅くんから考えて絶対にそんな呼び方はしない。
なんとかお風呂に入らせることに成功し、酔いをさまさせるため、少し大きめのコップに冷えたお水を用意しておく。
「……はぁ」
スマホを見れば、坂野先輩からメッセージが入っていた。
そのため私は突然電話を切ったことの謝罪と、家探しのことで色々教えてくれたお礼を言う。
これで一人暮らしのことはなんとかなりそうだ。
それ以上に今は───
「なんで、キスなんか…」
強引に唇を奪われたことが未だに信じられない。
一体紘毅くんは何を考えていたのだ。