永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜

「あんま大人を舐めてんなよー？」

「だって時間を有意義に使いたいじゃん！それにバイト先で恋…とか、そういうのも憧れるし……」


嘘。
全然憧れなんてない。
ただ紘毅くんへの恋心を忘れたいだけ。

子供染みた理由である。


「ふーん…恋、なぁ？」

「な、何さ…紘毅くんだって恋の一つや二つ、したことあるでしょ」

「そりゃ当たり前だろ。
26年間生きてきたんだから」


ズキッと、胸が痛んだのは当然のこと。
けれど自業自得だ。


「でもまぁ、詩織に恋は早いな」
「そ、そんなことない…！」

「だって彼氏、できたことないんだろ？」
「す、好きな人はできたことあるし…」


痛いところを突かれてしまった。

『絶対彼氏いたことあるでしょ？』と言われる顔をしているらしいが、彼氏ができたことなんて一度もない。


「見た目は彼氏いそうなのにな」
「……それって褒めてる？」

「かわいいのになって意味」


胸が高鳴らずにはいられない。
悔しい、紘毅くんの言葉ひとつで狂わされる。