永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜



「そんなに飲んできたの?」
「ん、詩織髪乾かして」

「…えっ」


お水を飲んで落ち着いたかと思いきや、またもや私に甘える動作をしてきた。

自ら申し出て乾かしたことはあるけれど…こんな風に頼まれるのは初めてな気がする。


むしろ『乾かしてやろうか?』と言うようなタイプであるのに。


「まだ酔ってる?」
「んー…頭がぼーっとする」

「どんだけ飲んできたのさ。
普段からお酒飲まないくせに」

「詩織、早く髪乾かして」


紘毅くんが子供のようでなんだかおかしい。
オトナが子供に何を頼んでいるのやら。

呆れながらも甘えてくる紘毅くんにキュンとしながら、私は洗面所にドライヤーを取りに行く。


そして紘毅くんの髪を乾かしたけれど、短髪のためすぐに乾いた。

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