永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜
「はい、完成」
「さんきゅー、詩織ちゃん」
「だからちゃん付けはやめてってば」
「一緒に寝ようぜ」
「ちょ、無視しないで…こら、歯を磨いてから寝なさい!」
私に幼い笑顔を見せたかと思えば、ベッドに横になってしまう紘毅くん。
自由気ままな人だ。
「なんだか詩織が親みてぇ」
「なっ…!」
「じゃあ歯磨いたら詩織と寝れるんだな」
「もー、酔いすぎて対応に困るよ紘毅くん」
結局あまり酔いがさめていないようで、私と一緒に洗面所へと向かう。
そこで歯を磨き終えた後、寝ることになったけれど───
「……紘毅くん」
「んー?」
「そんなにくっつかれたら苦しくて眠れないよ」
紘毅くんに背中を向けて横になれば、どうしてか突然後ろから私にギュッと抱きついてきた。
本当はドキドキして、という意味だったけれど。
苦しいと嘘をつく。