永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜
「き、綺麗のほうが嬉しいし…」
それは本当。
綺麗と言われるほうが、オトナに見られているようで。
少しでも紘毅くんと近づいたんじゃないかって思うと嬉しくなるのだ。
「俺から見たら詩織はかわいいんだよ」
それは子供扱いしているからだ。
もしメイクして、大人っぽい服でも着たら意識してくれるだろうか?
だとしたらバイトでお金を稼ぎ、自分磨きに使うのもアリだ。
「みんなは綺麗とか美人とか言ってくれるのに…」
「何?それで自分は美人だーって舞い上がってんの?」
「そ、そんなことない…!
お世辞ってわかってるけど…かわいいよりは嬉しい」
「ガキが舐めたこと言ってんじゃねぇよ」
「いてっ…」
今度はデコピンを食らわせてくる紘毅くん。
今日は一段と暴力的だ。
今のデコピンは中々に痛かった。
「紘毅くんってば本当にひどい!
私を子供扱いばっかりして…」
「事実だろ?」
「も、もう18歳です…!」
「俺から見たらかわいい子供だな」
「……き、嫌い!」
こんなにも意地になって。
今の私がすでに子供っぽいのだ。
それをわかっていてもムキになってしまう私は本物のガキであると認めざるを得ない。