永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜
「たったこんだけで照れてるやつが、これ以上のことしたらどうなるだろな?」
「……っ」
試された。
私がいつまでも拗ねているから。
そして私はやっぱり子供だった。
「わかっただろ?
詩織は恋愛初心者の子供なんだよ」
「い、今のは…っ」
好きな人に触れられたから。
その言葉はぐっと呑み込んで、我慢する。
「焦ることねぇよ。
卒業したら俺に嫁げばいい話だし」
「なっ…こ、ここで冗談言わないで!」
「結構本気だけどな、純粋な詩織ちゃん?」
その意地の悪い言い方が信じられないのだ。
冗談もほどほどにしてほしい。
私は本気で紘毅くんの彼女になれたらって思っているのだ。
「は、早くここから出てー!」
「わかった、わかったから騒ぐな」
私が叫ぶと、紘毅くんは大人しく外に出てくれた。
ここがマンションだからという理由もあるだろう。
朝から近所迷惑なことはしてられない。
近所の人たちと良好な関係を築いている紘毅くんは、私を家に住まわせると決めた時、誤解を招かないようきちんと話に行った。
それが吉とでたようで、今では近所の人たちからご飯のおかずをもらったり、『学校で嫌なことはない?』など私にまで色々と気にかけてくれていた。