永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜
「なあ詩織」
「どうしたの?」
ご飯を食べ終えた後、少しのんびりタイム。
ふたり並んでテレビを観る。
けれど内容なんて頭に入ってこない。
「やっぱ様子が変だぞ」
「……変?」
静かな部屋で紘毅くんが私をじっと見つめる。
見つめ返すことができなかった私は、テレビを観ながら笑い返してみた。
「下手くそな笑い方してる」
私の頬を軽くつねって、自分の方へと向かせようとしてくる紘毅くん。
諦めて、素直に彼の方を見た。
「ほら、やっぱ下手くそ」
「そんなことない」
「正直に言わねぇとわからないぞ」
「別になんでもないよ。明日と明後日は紘毅くん、いないから寂しいなってくらい」
咄嗟についた嘘。
いや、嘘ではないけれど。