永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜
周りから見れば、女子高生と会社員がギクシャクした空気で話しているという、なんとも不気味な状況だっただろう。
次の日からはもう話すことはない。
そう思っていたけれど。
『おはよう。
今日は暖かいね』
彼は毎回、ホームで私に挨拶をしてきた。
何気ない一言を添えて。
日を増すごとに私も緊張が解れていき、気づけば友人にも似た関係を築いていた。
私は彼と大抵のことは話せる、そんな中になっていた。
『あの時詩織に声かけられてなかったら、今の俺はいないと思う』
なんて、紘毅くんは大袈裟なことを言うけれど。
私もあの時紘毅くんに声をかけていて良かったと思ったり。
それでも周りから見れば奇妙な関係が一年も続いていたある日のこと───