永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜



「じゃあ与倉さんも今夜、男と会おうか」
「えっ…」

「向こうも女と会うなら、与倉さんも男と会っていいよね」

「でもまだ決まったわけじゃ…」

「ひとりより誰かといた方が気が紛れるよね?
バイト終わりに美味しいところ、食べに行こう」


にこにこと爽やかな笑みを浮かべる坂野先輩。

どうしようと一瞬悩んだけれど、ひとりでは不安が拭えないと思い優しさに甘えることにした。


「どこに行きたい?」
「私が決めていいんですか?」

「もちろん。俺、結構店知ってるから」
「そうなんですね。うーん、じゃあ…パスタとかですかね」


今の気分だけれど。
たまにラーメンとかお肉とか、ファーストフードとか。

体に悪いものも食べたくなる時もあった。


「じゃあお洒落なイタリアンのお店に行こう」
「…ありがとうございます、楽しみです」


以前連れて行ってもらったパンケーキのお店もすごく良かったし、期待大である。

これで紘毅くんのことは深く考えずに済めばいいなと思ったところで、お客さんが来店して声をかけに向かった。

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