永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜
『いや、だよっ…ひとりにしないでっ…!』
両親が事故で亡くなった日は突然やってきた。
あまりにも突然の別れだった。
最期の言葉を交わすこともできないまま、両親はこの世を去っていった。
そして私は引っ越し先が決まるまでの間、誰もいない家でひとりぼっちだった。
それが嫌で逃げ出してしまったのだ。
『詩織…?
どうした、こんな夜遅くに外出歩いて』
その日は春にしてはよく冷え込んでいた。
ひとりで逃げるように夜道を歩く中、偶然にも紘毅くんと会ったのだ。
『詩織、なんで泣いて…』
『どうしよう、篠川さんっ…私、ひとりぼっちになっちゃったよ…寂しいよ』
気づけば泣いていた。
紘毅くんの優しい声に涙腺が崩壊したのかもしれない。