永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜
文香とは高校2年からの付き合いだが、席が前後ということもあり仲良くなった相手。
さすがに紘毅くんとのことは言えていないけれど、大切な友達である。
「聞いてよ、昨日彼氏がさ…」
文香は私よりずっとオトナだった。
今いる年上の彼氏と初体験も済ませたらしく、私より何倍もオトナの世界を知っている彼女。
けれど今は受験でピリピリしているため、彼氏とうまくいっていないらしい。
「あーあ、私も詩織みたいに純粋だったらなぁ」
「純粋ってそんなことないよ」
「詩織は純粋でしょ!
長年付き合っている彼氏がいそうなのに」
「……いつも思うけどそれって褒められてるの?」
紘毅くんにも言われた。
彼氏がいそうだって。
一体どんな顔だと彼氏がいそうに見えるのだ。