永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜



「でも私、知ってるよ?」
「何がだ?」

「紘毅くんが定期的にお墓参りしてくれてるの」


おじいちゃんやおばあちゃんが、何度か紘毅くんと遭遇したことがあると言っていた。



「そりゃ大事な娘を預かってた身だからな」
「……うん、ありがとう」

「でもこれからは預かるんじゃなくて、詩織をもらうんだから。ふたりで挨拶しねぇと失礼だろ?」

「……紘毅くん…」


こういうところ、本当に真面目なんだから。
けれど大切にしてくれてるんだっていうのが伝わった気がして。



「じゃ、行くぞ。
デートはそのあとだな」

「うん…」
「どこか行きたいところ、あるか?」

「紘毅くんとならどこでも嬉しい」
「…ったく、そんなかわいいこと言って」


紘毅くんが笑うから、私もつられて笑って。
ああ、幸せだなぁって思った。

8歳差というだけでも不安になっていた心が、少しずつ薄れていくのがわかる。


これからもずっと紘毅くんの隣にいられますように。
車が動く中、心でそう呟いた。





END


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