永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜



慌てて謝ろうとしたその時───



「じゃあ隼也(しゅんや)くんのところで働きなよ!」
「……へ」

「隼也くん、覚えてない?2歳年上の先輩!
バスケ部のキャプテンだった人だよ」


そこまで言われてようやく思い出した。
坂野先輩のことだ。


文香はバスケ部のマネージャーをしており、そこの2歳年上の先輩と高校1年の時から付き合っているらしい。

そんな文香の彼氏もかっこよくて人気だったけれど、それ以上に人気だったのが同じく2歳年上の坂野先輩だ。

優しくて、爽やかな先輩。
悪い噂なんてひとつもなかった。


「隼也くんね、今カフェで働いてるはずなの!
確か彼女もいないはずだし、チャンスなんじゃない?」

「でもそんな…私は知らないし」


2歳年上ということは、今は大学2年生だ。

そもそも男の人と関わる機会があまりないのだ、いきなり言われても困る。

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