永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜
「詩織?どうした」
「……なんでもない、ご飯ありがとう」
「何でもないって、そんな顔してるくせに」
「だ、だって紘毅くんが…っ」
私を子供としてしか見てくれないから。
その言葉はグッと飲み込んだ。
「俺が、どうした?」
気のせいだろうか。
心なしか、紘毅くんの表情が明るいのは。
「も、もういい!
早く彼氏見つけてこの家出ていくから!
そっちの方がガキの私の面倒みなくていいから、紘毅くんも楽でしょう!?」
こんなのただの八つ当たりだというのに。
わかっていても止まらない。
「詩織」
「うるさいうるさい、わかってるから黙って!」
「お前は何もわかってねぇよ」
「わかってる!」
「わかってねぇからそんなこと言えんだよ。
あんまオトナを舐めてたら痛い目みるぞ」
紘毅くんの声がいつもより低く聞こえたかと思うと。
私から離れて料理の置かれたテーブルに座った。