永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜
「……詩織」
「ふっ…う…」
「…んで泣くんだよ、飯の味がわからなくなるだろ?
この泣き虫」
向かい合って座る紘毅くんが、場所を移動して私の隣にやってきたかと思うと。
私の肩を抱き寄せて、それから頭を撫でてきた。
「ごめんなさい…」
「ん、すぐ謝れるのが詩織のいいところだな」
いい子いい子とでも言うように、私の頭を優しくポンポンしてくれる紘毅くん。
「今日バイトの面接だろ?
なんで朝から泣くかな」
「だって…紘毅くんが…っ」
「わかったから落ち着け、な?」
「うー…」
頑張って泣き止もうと努力するけれど。
中々涙は止まらない。
そんな私の涙を紘毅くんが拭ってくれた。
「ん、泣き止んだな。
目が赤くなってなくて良かった」
「……うん」
「じゃあ早く食べるぞ。時間は?」
「まだ大丈夫」
10時の予定だからまだ余裕はある。
そのため焦ることなく、またご飯を食べ始めた。