永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜




少し遠くの買い物も車で送ってもらうだけで、そこからは別行動になるのだ。


「で、でも一緒に行動できないから意味ないじゃん…」

「周りの目が気にならないくらい遠出したらいいだろ。詩織は年齢の割に大人びてるし、俺もまだ老けてな…老けて見えるか俺?」


突然不安になる様子の紘毅くん。
けれどそれ以上に私は、“大人びてる”と言われたことが嬉しかった。


「おい詩織、なんか言えよ」
「うーん、どうだろうね」

「おまっ…さては仕返しだな?俺はまだ若いからな」
「紘毅くんがそう言うならそうなんじゃない?」


焦る紘毅くんが少しかわいい。
まだまだ若いお兄さんだというのに。


「くそ、詩織に負けた気分」
「えっ、なんでさ」

「やっぱ八歳差は大きいよなー」
「…っ」


紘毅くんはきっと、何気なく呟いたつもりだろう。
けれど私の心に今の言葉がずっしりとのしかかる。

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