永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜
「そ、そんなの紘毅くんが引っ張るから…」
「詩織」
「……っ!?」
耳元で紘毅くんが私の名前を囁いた。
ピクリと体が反応してしまう。
ゆっくりの紘毅くんの手が私の頭を撫で始める。
優しくも危ないその手つきに、何かを期待してしまう私は大馬鹿野郎だ。
「ずっと、こうしといてやりてぇ」
「何言い出すの、今からバイト面接で…」
「うん、だから詩織を行かせないように」
ここに来て何を突然。
私を抱きしめる力が強まる。
男の人の体格に私が勝るわけがない。
けれど私自身、このままでいたいなぁって。
まだドキドキとうるさい中、思考が鈍くなってどうしたらいいのかわからなくなる。
「このまま俺とどこか行くのは不満?」
「…っ、や」
声が掠れる。
ここで流されてはダメだと頑張るけれど。