永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜
「なんだ、もう来ていたんだね」
スマホの電話を切りながらこちらに近づいてきたけれど、普通にやばい。
絶対に車から降りているところを見られた。
このままでは紘毅くんの存在がバレてしまう。
“早く車を出して”と心で願う中、助手席のドアの前に立つ。
しかし車が動き出す様子はなく。
「おはよう与倉さん。
来るの早いね」
「そ、そんなことないです…あはは」
ダメだこんなの隠しきれない。
嫌な汗が流れる中、突然坂野先輩が自然なタッチで腰に手を添えてきた。
「じゃあ行こっか、そんなところで突っ立ってないで」
「えっ…あ、はい…!」
思いの外、坂野先輩は車を気にすることなく私を連れてカフェへと歩き出した。
安心して私も彼についていく。
バレずに済んだ、そう思っていた最中───