永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜
「……予想と違ったなぁ」
「坂野先輩?」
「相手の男、結構面倒そうだね」
「…っ!?」
“相手の男”ということは、やっぱりバレていたのだろうか。
変に焦ってしまう私の頭を坂野先輩はポンポンしながら笑った。
「大丈夫、誰かに言ったりしないよ」
「え、あ…本当ですか?」
「本当本当。それに相手の男性、若いんだね」
「まだ若いんですけど…8歳差なんで私なんかよりずっとオトナです」
「なるほど、8歳差だったら25か26歳か」
「あっ…!?」
まるで罠にでもかかったような気持ちになった。
つい紘毅くんについて話してしまったのだ。
「そんなオトナと一緒に住んでるんだね?
ご家族の方も合わせて?」
どきりとした。
坂野先輩は何も知らなくて当たり前なのだ。
「も、もちろんです!
訳ありで一緒に住んでるだけであって…」
少し言葉に詰まってしまったけれど、このくらいは大丈夫だろうと信じておく。
「ふーん、そっか」
坂野先輩の返事は少し怪しいものだったけれど、私はカフェの中にあるスタッフ専用の控え室へと案内された。