永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜
「でも一人暮らし先からここまで通えるかしら?
負担じゃない?」
「あっ…」
美智子さんの言う通りだ。
一人暮らしとなれば大学の近くになる。
つまり今度はここのカフェまで距離が遠くなるのである。
「だ、大丈夫です…!
通えます!」
「もし大変ならいつでも言ってね、なるべく支援するから。週一でも大丈夫だし、大学に入学する前まででも大丈夫だから」
「そ、そんな…悪いです」
短期間しか働かないなんて、ここのお店に迷惑がかかるだけだ。
「いいのいいの、こうして詩織ちゃんが来てくれただけでも嬉しいんだから!」
美智子さんはまるで、優しい母親のような人だった。
そのためか、私のお母さんのことを思い出してしまう。
『詩織、今日の試合観にいくからね!』
中学・高校とバトミントン部に所属していた私。
最後は両親が亡くなったこともあり、早期引退という形で辞めさせてもらったけれど。