永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜
あれだけ両親共に応援してくれていたバトミントン、結局中途半端になってしまったなぁって。
「詩織ちゃん…?」
「あっ、はい…!すみません、ぼーっとしていました」
美智子さんの心配する眼差しに、慌てて笑顔を浮かべる。
何をやっているんだ私。
しっかりしないと。
自分に喝を入れて頑張ろうと決意する。
「じゃあ今日は必要な書類を記入してもらって、他に仕事の質問とかは隼也くんに聞いてね。優しく丁寧に教えてくれるだろうから」
「すごくプレッシャーかけますね」
「事実なんだからいいじゃない。隼也くんの神接客は群を抜くもの」
「さすがに大げさですね」
なんて笑って濁す坂野先輩だったけれど。
きっと彼のことだ、神接客というのは事実だろう。
優しくて王子様のような存在である坂野先輩は、老若男女問わず人をメロメロにすることだろう。