永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜
「まあこんな人間もいるんだから、あまり無理しすぎないようにね。ずっと笑って良い子になる必要ないんだよ」
「め、迷惑かけるじゃないですか…」
「相手を選ばないと。迷惑かけてもいい相手。
その見分けは大事だね」
「そんな相手いないです」
紘毅くんも祖父母にもたくさん迷惑をかけてきたのだ、あまり心配をかけさせたくない。
「俺は大丈夫だよ」
「えっ…」
「ちょうど今、俺も相手探してたんだよね。
与倉さんになら迷惑かけても大丈夫そうだし」
残念ながら坂野先輩が何を言いたいのかまったく伝わらない。
うんうんとひとりで頷き理解しているけれど、私は置いていかれている。
「利害の一致だね。
俺たち、すごく良いバランス取れると思わない?」
「…思いません」
というか、嫌な予感しかしない。
何を企んでいるのやら。