永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜
「どうして謝るの?
これは俺の仕事でもあるんだから」
「面倒じゃないですか?」
「むしろ与倉さんとの距離が縮まるチャンスだなって、思ってるよ」
少し、キケンなにおい。
坂野先輩も読めない人だ。
「ど、どうして私に手を出そうとするんですか!」
さっきもどさくさに紛れて抱きしめようとか言ってきた。
まだまだ私たちは浅い関係だというのに。
「んー、たまには年下でもいいかなって」
「えっ…?」
「遊び相手。
いつも年上ばっかだからね」
にこにこと爽やかな笑顔を浮かべている坂野先輩。
けれど私の頭は真っ白だ。
「与倉さんも忘れたいんだよね、ヒロキくん。
だからちょうど良いって話したんだよ」
「さ、最低ですね本当に…!
遊び相手だなんて、チャラい人だったんですね!」
「人は見かけによらずって言うからね。
与倉さんも慣れてるように見えて…」
スッと伸びてくる坂野先輩の手。
この間のことを思い出し、咄嗟に手を払おうとしたけれど。
簡単に腕を掴まれてしまう。