永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜
「本当は慣れてないもんね?」
私に顔を寄せて。
意地の悪い笑みを浮かべて。
「…っ」
「純粋なコに手を出すのもいいかなって。
俺、飽き性だから」
本当に最低な思考回路をしている坂野先輩。
この裏を文香は知っているのだろうか。
知らないのならバラしてやりたいと思うけれど、今更だ。
後頭部にまわされる手。
これは、本当にやばいのでは。
危機感に晒される。
「まっ…」
この至近距離に坂野先輩がいる。
恥ずかしくなって、自然と頬に熱が帯びるのがわかった。
「先輩…ダメです、早くバイト内容について教えてください…」
ギュッと目を閉じ、振り絞るような声で抵抗すれば。
坂野先輩が小さな笑みを漏らした。
「……本当にかわいい反応するね、新鮮だなぁ」
「…っ、離してください!」
必死の抵抗に、クスクス笑いながらもようやく彼が離してくれる。
本当に最低最悪な人だ。