初恋エモ
#4 SHORT KiLL
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☆
四月から真緒が学童に入ることが決まった。
これで母がいない日にも、バイトや練習を入れることができる。
「これ、今月のサッカーチームの会費」
お金を渡すと、母はほっとした表情になった。
ライブの動員が順調なこともあり、バイト代の他にもお金を得ることができていた。
このままいけば、バンドをやっていることがバレても大丈夫かもしれない。
よし、次のライブもたくさん呼ぶぞ。
と気合を入れたものの。
「ごめん、期末の勉強全然進んでなくて」
「お金が……次は絶対行くから」
時期が時期だけに、クラスの友達にことごとく断られてしまう。
翠さんもその日は彼氏と旅行らしく、今回は来れない。
中学時代の友達に声をかけても、あと一人足りない。
ちなみに私たちの目標はクノさんは10人、私と葉山さんは5人ずつお客さんを呼ぶこと。
西町のライブハウスはノルマが15人のため、目標を達成すればチケット代×5人分のお金が手に入る。
最近はお客さんも増えてきたため、バンドにかかる費用も黒字だ。
しかし、今回はピンチ。なんとかしなければ。
「美透ちゃん、今日教室で食べるの?」
昼休みになり、教室内がわいわいし始める。
自分の机にお弁当を置くと、音楽好きの友達が話しかけれくれた。
ふと、教室を出て行った穂波さんの姿がふと目に入る。
彼女は過去がバレたせいで、教室では孤立している状態だ。
最近はどこかで一人お昼を食べているらしい。
「ごめん。今日はちょっと用事があって」
私はあることに気がついていた。
穂波さんはきっと、ある有名なイケメンバンドにハマっている。
声をかけてくれた友達に頭を下げて、私も教室を飛び出した。