初恋エモ
4
☆
「どうもありがとうございましたー」
レジ清算が終わったお客さんにお辞儀をしながら、次の買い物カゴを引き寄せる。
顔をあげると……。
「お待たせしましたー。って、えええっ?」
視界に飛び込んできたのは、クノさんと葉山さん!
「今日のバイトこの近くだったから、クノくんに連絡してみた」
作業着姿の葉山さんはニコニコとそう答えた。
その横では制服姿のクノさんが「レジ早くしろよ」とぶつくさ言っている。
はいはい、すぐやりますから!
カゴの中に入っていたのは、から揚げに餃子に……大量のお酒!!
「これ……!」
ビール缶を一つ手に取り、クノさんをにらみつけたものの。
「成人、ここにいるから」
クノさんは葉山さんを指さし、葉山さんも半笑いで自分を指さした。
そっか、そうだった。
クノさんがここに来ると、何らかの不正をするのでは、と身構えてしまう自分がいた。申し訳ない。
「どうもありがとうございましたー」
清算が終わり、営業スマイルで二人を見送ると、クノさんはニヤリと笑い、こう私に伝えた。
「お前も終わったら来いよ。いい知らせあるから」
――え。何だろう。