初恋エモ
#2 さよならストライク
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☆
「はぁ、来月車検かぁ~」
郵便物を整理している母は、重いため息を吐いた。
真緒は今お風呂に入っているため、食卓に残っているのは私と母だけ。
嫌な予感がした。
「美透、あんたのお年玉貯金、今いくらあるっけ?」
母の命令により、毎年正月にもらったお年玉は自分の口座に入れていた。
バイト代が振り込まれるようになってから、カードは自分で管理している。
サーっと血の気が引いた。
「どれくらいかな。今度お金おろすときに確認しとく」
平常心をよそおってそう伝えた。
それから「宿題やる」と続け、すぐに立ち上がり自分の部屋へと向かった。
自分の部屋といっても、一つの部屋を棚で区切り真緒と半分ずつ使っている場所。
あるのは、布団と机、本棚とハンガーラックくらい。
他のものを置くスペースはない。そもそもあれは絶対に置けない。
お年玉貯金に手を出したことも、絶対に言えない。