初恋エモ
「うわっ」
一階のシャッターの先は暗闇だった。
足元にあった何かにつっかえてしまう。
危ないので、スマホのライトをつけて置き場所を探ることに。
「あ……」
照らされたのは、積まれたタイヤやシャベル、古そうな車。
それよりも。
目を引いたのは、隅のカゴに入っていた野球用らしきバット、グローブ。
大きなネットも壁にへばりつくように置かれていた。
まさかクノさんの?
いや彼は部活に入っている気配はない。
クノさんの叔父さんのやつかな? 草野球でもしているのかな。
人のスペースに長居するのも悪いので、入口近くにベース入りのケースを立てかけ、家に帰った。