初恋エモ
4
☆
クノさんの曲につけたベースはほとんど直され、ミスしては怒られ……が続いているものの、落ち込む暇はなかった。
とにかく練習し、彼に必死にくらいついていた。
学校生活に家のこと、アルバイト。日常は相変わらずぱっとしない。
でも、変わったことがある。
日々が過ぎるのがあっという間になったこと。
「よっしゃ! やるぞー」「おー!」
気がつくと期末テストが終わり、体育祭本番。
夜の方が活発的になっているせいか、じりじり照り付ける太陽がやたらまぶしい。
楽しそうに競技にのぞむ生徒たちも。
「うわー全然打てないわー」
「あはは! ドンマイ!」
点を取ったり取られたり、和やかな雰囲気でソフトボールの試合は進んでいく。
そもそもルールすらよく分かっていない私。
ボールを打てるわけもなく、取れるわけもなく、完全に足を引っ張っている。
「間宮ちゃん、落ち着いて! 大丈夫だから」
「はい!」
バッターボックスに入ると、クラスメイトが声をかけてくれたが……。
あーあ、というため息と同時に、ストライク、バッターアウト! という審判の声が響いた。
しかし順調に勝ち進み軽々予選を突破。