Ai…

そして
止められるのを待っていたのかも知れない



「…藍くん
私ね、藍くんのお父さんとは
ここに来た日に初めて会ったの
今はまだ、その理由は言えないんだけど…
私は、藍くんのお父さんじゃなくて
藍くんと一緒にいる間に
藍くんのことが‥好きになってた…」


布団の中から愛さんの声が聞こえた

涙声だった



「ごめんね…
そんなこと言ったら…
困るよね…」



オレは起き上がったまま
布団の中の愛さんの手を握った



「困らせてるのは…いつもオレだから…
…ごめん…
オレも、たぶん、好きなんだと思う…
…母親だから…
…新しいお母さんだから…
どんなふうに好きになっていいか
わからなかった…」



「…藍くん、ありがと…」

オレの手に愛さんの唇が触れたのがわかった



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