Ai…

「そっか…
やっぱり自分で用意しなきゃか…」

槙田は冷静にひとりごとのように言った



オレは戸惑った

心拍数は上がってた

愛さんといる時のドキドキとは全然違って

なんだろう…胸騒ぎ?



「…なに?…先輩、と?」

聞きにくくて、チラッと槙田を見た



「…うん、夏休みだし…」


槙田は少しも恥ずかしそうじゃなかった



なにオレ、照れてんの?
照れてることが尚更恥ずかしくなる


じゃあ、もちろん…キスはしたんだよね?

そう思ったけど槙田には聞かなかった



「…え‥したいものなの?…女子って…」

動揺して
もっと変なことを聞いてしまった



「…んー、好きな人がしたいなら!」



聞いたのはオレだけど
答えなくてもいいのに、槙田


少し恥ずかしがるとかないの?



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