Ai…

「ただいまー」



「おかえり」




夕飯を食べながら
愛さんに槙田の話をした



「まきちゃん、心配だね…
私、もしだったら、
病院付き添ってもいいけど…」



「病院て…?」



「産婦人科」



「…槙田、産むの?」



「…それは、まきちゃんが決めることだけど…
まきちゃんだけじゃなくて、
お母さんと、彼にももちろん話して…」



槙田、どぉするんだろ…



「愛さんだったら、どぉする?
もし、今、妊娠したら」



「…じゃあ、先に逆に聞くけど
藍くんだったら、どぉする?
もし、今、私が妊娠したら」



さっき考えたけど

出なかった答え



「…一緒に育てる‥」



とりあえず
そう答えた


もちろん
それがベストだと思ってる



「学校は?
中学生は、辞めれないよ
高校行かないで働くって言っても
実際、大変だと思うし‥
藍くんには、もっと先を見てほしい
…だからね、ひとりの問題じゃないんだよ」



そう

いろんな問題がなければ…



「まきちゃんは、まだ若いから
精神的にも
身体にもリスクがあると思う…
心配だな‥まきちゃん…」

愛さんは槙田を心配した



「私はね、今妊娠したら、産むと思う
そしたら、ひとりで育てる
藍くんに迷惑かけたくないとかじゃなくて
さっき言ったみたいに
藍くんには、もっと先があるから…
そのことで自分のやりたいこととか
諦めないでほしい」



具体的に言えないオレ

情けない



愛さんは、ちゃんと考えてる

考えてくれてる



オレは何も言えなかった



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