Ai…

部屋の隅に立っている愛さんに
近付いた



いつの間にか
オレの方がずっと背が高くなってた



壁に寄り掛かる愛さんに
オレは少し屈んでキスをした



ーーー



目を開けた愛さんが
カーテン越しの西日を眩しそうにした



「放課後みたい…
愛さん、高校生みたい
やっぱりかわいい…」



愛さんの額にオレの額をくっつけた



「あー…
オレも制服着とけばよかった」



休みだったから
オレは朝からスウェットだった



愛さんが笑った



「今度、行こうね
ふたりだけの修学旅行
その時は、オレも制服だから」



「うん」




藍色のリボンが
愛さんによく似合ってた



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