Ai…

「あ、オレ…

聞かれなかったから、黙ってたけど…
槙田とキスした

愛さんがまだここに来たばっかりの頃」



「付き合ってたの?」



「付き合って、ない…

槙田、好きな先輩いたし…

流れで…
なんか、寂しかった」



「もぉ、寂しくない?」



「うん…もぉ寂しくない
愛さん、いるから…」



「それなら、よかった」



優しい

愛さんの笑顔



愛さんは

オレを責めたりしない



やっぱり

大人



「愛さんて、やきもちとかないんだね」



「ん?…ホントはヤダよ

ただ恥ずかしくて、言えないだけ…

でも藍くんが今私を愛してくれてるなら
それでいいよ

それに、まきちゃんだし…
いい子だから…」



「我慢しないでよ
愛さん

オレが子供だから
いつも愛さんに我慢させてる」



「ん?…うん…

ちょっと、我慢してた」



「愛さん…」



「藍くん…」



ーーーーー



今のは

寂しさを埋めるためのキスじゃなくて



愛おしくて仕方ないキスだよ



愛さんとキスをした後は

いつも幸せな気持ちになる



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