Ai…

「すごーい、ベッド大きいね」



お風呂から出てきた愛さんが
ベッドにうつ伏せになって言った



足をバタバタさせてて
かわいかった



愛さんは
さっきみたいにエロかったり
急にかわいくなったりする



どっちの愛さんも
オレは好き




「楽しかったな…
寝たら、終わっちゃう‥修学旅行
眠いけど、寝たくないな…」


愛さんは
ひとりごとのように言った



オレも愛さんの隣に横になった



「何回も言うけど
ありがとね…藍くん」



「うん…
新婚旅行も、愛さんと一緒に行きたい…」



「…ん?」


愛さんがオレの方を見た



「こんな子供が何言ってるの?って
思われるかもだけど…

高校行ったらバイトもするし
大学も行くかもしれないけど…

まだまだ、先になって
それまで愛さん
待っててくれないかもしれないけど…

オレ、愛さんと結婚したい」



「… ありがと…」



「ごめん、こんな大事なこと
こんな感じで言って
信用性ないよね」



オレは慌てて起きあがった



愛さんも起きあがって髪を直した



「愛くんの気持ち、嬉しいよ
待ってるよ、私

藍くんが大人になるの」



「いつもキスしたくなったり
愛さんの身体に触れたくなるのも
愛さんのこと好きすぎて…

今更だけど
ホントに中途半端な気持ちじゃないし。

ずっと‥ずっと近くにいたい

ずっと隣にいるから…
ひとりにしないから

だから…」



「うん…私も好きだよ

プロポーズ?って思っていいの?」



「うん…
今は、指輪なくて、ごめん…」



「指輪なんて、いらない…」



愛さんは左手の薬指を
オレの前に出した



オレは、その指にキスした



「幸せにする」



「うん」



愛さんの目に涙が溜まって
キラキラしてた



ひとりだった…



そう言った時の
寂しそうな愛さんを思い出した



もぉひとりにしないよ



ずっと一緒にいるよ




オレは愛さんをゆっくり抱きしめた



愛さんの涙が溢れ落ちた




幸せにする…





< 306 / 316 >

この作品をシェア

pagetop