Ai…
「ただいま」
「おかえり、藍くん」
あの人が玄関に出てきた
オレの家には
ちゃんと「おかえり」って返してくれる人がいる
槙田、今、ひとりだな…
「藍くん、ご飯温めるね」
風呂に向かうオレを追いかけて
あの人が言った
「食べた」
オレは、あの人の顔も見ないで言った
あの人が、どんな気持ちなのかなんて
考えなかった
シャワーを浴びながら
槙田のキスの時の顔を思い出した
また、鼓動が早くなった
オレはユニホームを投げたまま
自分の部屋に行った