Ai…

学校に行こうとした時
玄関で気付いた


あの人の靴がある…




オレは、あの人の部屋のドアをノックした


トントン…


耳を澄まして中の様子を伺った




「…藍くん?
ごめん、今日具合悪くて…
おにぎりしか、できなかった」

部屋の中から声がした



「…開けて、いい?」



「…うん」



ドアを開けると
あの人は、ベッドの上で無理に起き上がった



「…ごめんね
…学校、間に合う?」



「大丈夫?」



「…うん
今日、仕事休んだから
寝てたら、大丈夫だと思う」



「なんか、食べたいのとか、ある?
熱とかないの?
薬は?」


オレは、あの人の額に手を当てていた



「あ、ごめん…
なんか、心配で…」


オレは、あの人から離れた




「藍くん、ありがとう」

あの人が笑顔をつくった



なんか、ホッとした…





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