Ai…

玄関のドアを開けた



「なんで制服着てんの?」

槙田が言った


言われるまで気付かなかった



「あぁ、ホントは学校行こうとしてたから…」



「今日のノート持って来た」



「あー、ありがとう…
上がってく?」



「いいの?」





「こんにちは」

後ろから声がして
槙田はオレの後ろに目をうつした



「こんにちは」

槙田が笑顔を作って言った



「彼女?」

小声であの人がオレに聞いてきた


オレは無視した



「飲み物持って行くから
先に上がってて」


槙田をオレの部屋に通した




「おじゃましまーす」


槙田は靴を揃えて
あの人に会釈して階段を上がった



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