Ai…
「藍くん、アイス食べない?」
「うん‥じゃあ、食べようかな」
冷凍庫からアイスを出して
リビングのソファーに座ると
あの人も隣に座った
無音が気まずくて
オレはテレビをつけた
見ても見なくてもいいようなチャンネル
「まきちゃん、かわいくて、楽しい子だね」
「あ、あぁ…」
オレは、どーでもよかった
「良かったら、また来てもらってね」
「…うん」
「父さん、帰って来ないの?」
オレは話題を変えた
「…帰って来て、ほしいよね?」
「いや…別に…」
「今度、聞いてみるね」
「父さんと連絡取ってるの?」
「…うん、
藍くんに電話しても出ないって言ってたよ」
父さんからの電話に何度か出なかった
「別に、話すことなんてないし…」
「そっか…
私にも話なんかしたくないかもだけど、
何かあったら、なんでも言ってね」
「…うん…」
「なんか、今日は、いい日だったな…」
あの人は、しみじみ言った
オレはテレビからあの人に視線をうつした
優しい横顔をしていた
思っていたより近くに座っている事に気付いて
ドキッとした
「あ!でも藍くん学校休んじゃったね
私のせいで…ごめんね
明日は、私も仕事行くから…
…でも、藍くんが学校休んでくれて
少し、嬉しかった
私のためじゃないかもだけど…
すごく助けられた
…ありがとね」
オレは照れくさくて下を見た